原因不明の不妊
妊娠を考えてからなかなか授かれない…。妊活のクリニックへ通院したのに原因がはっきりわからなかった…。妊活中の方の中で原因不明の不妊をしめる割合は約11%ほどといわれています。
原因不明の不妊を東洋医学的にみるとどんなことが考えられるのでしょうか。
東洋医学からみた不妊の種類
【瘀血(おけつ)】
瘀血とは、お腹の深部に有る硬結を指し、「血」の働きが悪くなったことで、お腹の深い部分に「血」が滞った状態です。特に女性は月経との関係が重視されています。
東洋医学で「血」は経絡という流れの中を、「気」の力を借りて全身をくまなく滞りなくめぐっていると考えられます。
このように「血」は「気」によって経絡中を動かされているものなのですが、経絡の流れから「血」が脱落し、経絡外に滞った状態を瘀血といいます。
「血」の滞りは塊となって流れを悪くし、体の機能を停滞・悪化させます。
瘀血の起因はストレスや運動不足、睡眠不足、偏食、便秘、などが考えられます。
瘀血の場合には不眠や頭痛、冷え、肩こり、全身倦怠感などの症状も当てはまる場合があります。
当然瘀血があると子宮や卵巣の機能を阻害し妊娠しづらい環境をつくりだしてしまいます。
【痰湿(たんしつ)】
痰湿とは脾胃を弱らせることによって出てくる病の一つです。
原因は脂質の多い食事や甘いものの取りすぎ、不規則な生活、運動不足、過労ストレスなどです。
症状としては水分代謝が悪いので、むくみやだるさ、冷えがでます。
また肥満体質なども痰湿が原因とされています。
水分代謝の悪いむくみやだるさのある体質は不妊の原因になります。
【積聚(しゃくじゅう)】
積聚とは簡単に言ってしまえば、お腹の凝りです。凝りですから筋肉の緊張状態の異変であり、内臓は関係しません。お腹に現れた「気」の集まりで、腹部をさぐると硬結が手に触れます。重症になると腹痛を引き起こすと言われています。
お腹の凝りがあるとどのような状態になってしまうのでしょうか。
人間は直立二足歩行、つまり立ち上がることによって内臓が子宮や卵巣の上に乗っかり腹直筋などが壁となって支えています。子宮や卵巣が、正常で適度に運動し弾力のある柔らかい筋肉で支えられていれば心配いりませんが、お腹の筋肉が凝っていたらどうなるでしょうか。
上からの内臓圧迫にも耐えているところに、凝りがある硬結をもった筋肉でお腹の前からもごつごつと押さえらえれてしまうのです。
では、お腹の凝りの原因はどのようなことが考えられるでしょうか。
運動不足の方、長時間椅子に座り続ける・同じ姿勢を取り続けるお仕事の方がお腹の凝りを招きます。
運動をしていても管理が悪い方、例えば運動後すぐに消化の悪い食事をしたり、大量にお酒をのんだり、ダウン(ストレッチ)を怠ったり、などなど。動かした筋肉に柔軟性を維持する時間を与えずにいるとその筋肉には凝りが生じます。
また足腰を冷やすような服装や冷房等の体を冷やすことでもお腹の凝りは発生します。
お腹の筋肉は足から還流してくる冷たい静脈血がお腹を通るときに冷えを嫌い、お腹の筋肉に力が入ります。つまりお腹の凝りが起きてしまうのです。
腰痛などもお腹の凝りと関係してきます。腰痛持ちの場合、無意識のうちに腰をかばう姿勢になり、お腹に不自然な力が入ります。慢性腰痛の場合、腰の痛みを緩和させようと常にお腹に力が入った状態になります。
治療法
問診や脈診、腹診を通して診断し鍼灸治療を行っていきます。
体質改善のためには初めは週1~2回程度、体の状態がよくなってきたら週1回程度の通院で治療していきます。妊活中の場合、その周期の治療内容によっても来院時期が異なりますのでご相談ください。
瘀血や痰湿、積聚と様々な原因が考えられますが、どれも生活習慣の見直しが必要です。
鍼灸治療で体質の改善をすることはとても大切な事ですが、治療前後で生活習慣が変わっていないと体もかわってきません。必ず、今の生活環境を変えていきましょう。
不妊の原因となっているものをみて共通して言えることは、
【ストレスをためないこと】【適度な運動を行うこと】
【脂質の多いもの、甘いものを控えバランスの良い食生活を心がける事】
【体・足腰を冷やさないこと/温めること】【睡眠をしっかりとること】です。
これらは妊活だけでなく日々健康で過ごすために改善が必要な項目だと思っています。
妊娠するために意識するぞ!!!と取り組むと荷が重くなりますね。
長い人生健康でいるために意識してみてください(^^)
不妊症・妊婦施術は女性専門 みやび鍼灸院|東京都新宿区 (miyabi-shinkyu.com)