不妊につながっている月経痛やおりものの異常には食事や生活習慣を改善しましょう。
第二次世界大戦後に50歳を超えた女性の平均寿命は、1955年で67.75歳、1990年には81.90歳、2019年には87.45歳と右肩上がりに延び続けてきました。
厚生労働省では2040年に89.63歳と推計しており今後も日本人の平均寿命は延びていくと予測しています。
しかし、こちらの寿命はあくまでも女性の平均寿命であり、女性の健康寿命は長くないと言われています。
女性の健康問題
女性には、がんや心臓血管系疾患以外にも男性とはやや異なった、骨粗しょう症、骨折・関節の・筋肉の変化、認知症など女性ホルモンの低下に関係して起こりやすい問題が多く、直接的に死に関係なくとも生活の質を落とし長い老後が待っているのです。
閉経後は女性ホルモンが減少し、特に50代は急激にこのような変化が起こってくる要注意期間と言えます。
女性の健康寿命の問題は閉経後だけではありません。
現代の日本女性は生殖機能が成熟してくる10代後半以降も高等教育を受け仕事に就き、キャリアを積んでいきます。ここで増えてくるのが子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣嚢腫、子宮頚がん、乳がんなど女性特有の疾患です。
これらの問題は月経の回数が多く、出産数や授乳期間が少ないほど発症しやすい疾患です。
また月経の回数が増えるとそれに伴うトラブル、生理不順や月経前症候群(PMS)なども、現在の女性の生活の質を落とすばかりでなく、将来の妊娠や、不妊につながる可能性のある子宮内膜症などのリスクが上がります。
そのため、妊娠を望む頃に女性特有の疾患が発見され治療を行いながら子どもを授かるというケースが増えています。
とはいえ女性の健康寿命の問題をこのままにしていてはいけません。
もちろん、女性のライフステージや体の変化について全員が同じようにできるわけではありませんが、生活する中で改善できるヒントが見えてくるのではないでしょうか。
どのようなことに気をつけたらいいのか、その対処法は?
日々多くの女性と向き合ってきている女性鍼灸師がお答えします。
月経(生理)から起こる不調の向き合い方
重い生理痛やPMSに悩まされている方の大半は薬で一時的に痛みを抑えている印象がありますが、痛みがあるからとはいえ体を見直そうとケアされている方は少ないように感じます。
痛みは体質的(子宮形状の異常、ホルモンの異常)な原因以外にも、子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣嚢腫が隠れていたり、生活習慣が原因になっている場合もあります。
痛み止めで痛みをブロックしてしまう前に原因を探してみましょう。
生理痛やPMSにはこのような原因も隠れています。
・ミネラル不足
原因:白砂糖の摂りすぎで体を酸性に傾ける、それを中和するのにミネラルを使用するため不足する
小麦の過剰摂取
・動物性脂質の摂りすぎ
原因:日本人には乳製品を消化する酵素が少ないため体には合っていません。乳製品を摂ることで便秘が解消される、お腹がゆるくなるということは乳製品が体に合っていないかも。
食べるな!ということではありませんが嗜好品程度にしましょう。
・オメガ6の摂りすぎ
オメガ6の摂りすぎは痛みを増やしてしまいます。肉や卵に含まれるオメガ6は必須脂肪酸の一つですが日本人の食生活で不足することは考えられません。摂りすぎないようにしましょう。
・オメガ3の摂取
同じく必須脂肪酸のオメガ3には痛みを軽減する効果があります。青魚など摂りましょう。
サプリメントでの摂取は心房細動のリスクを高めるなどの悪影響があることもわかっています。
また月経痛やPMSがひどい患者様の体は非常に冷えている印象があります。
冷えは痛みを増加させます。また身体が冷え、血行が悪いとさまざまな臓器に十分な酸素や栄養が行き届かなくなります。
夏場ですが湯船に肩までつかること、クーラーのきいた施設(職場、家、電車など)では足元やお腹周りを冷やさないようにレッグウォーマーや腹巻をしましょう。
健康寿命にはお灸の治療もおすすめです。
特に三陰交やお臍周りの灸、首周りのお灸が効果的です。
火を使わないお灸ではお腹のお灸や首元のお灸もやけどせず効果を得ることができます。
おりものの意味
おりものが出ることが当たり前だとおもっていませんか?
排卵期や妊娠の際にはおりものが多くなる傾向にはありますが毎日おりものが異常に多かったり、臭いを感じた場合、茶褐色や黄色などのおりものがあった場合には性感染症や膣炎を疑いすぐに婦人科へ相談しましょう。
性感染症や膣炎などを放置していると月経不順や卵管炎などを引き起こし体調不良や不妊のリスクを高めます。
検査でも異常がみつからなない場合でもおりもので困っている女性も多いかと思います。
おりものは膣内の雑菌を洗い流す役目があり、量が多くなっている場合子宮内があれている証拠です。
おりものの量が増えている時には体調管理はもちろんのこと、こまめにおりものシートを変えたり、おりものシートをオーガニックのものにしたり、よくならない場合ににはおりものシートはつけずショーツそのものをこまめに変えてみましょう。
食事の見直しでは小麦の過剰摂取に注意しましょう。
小麦に含まれるグルテンが腸内環境をあらし、おりものを増やしている原因かもしれません。
乳がん
乳がんは女性がかかりがんの中で最も多く患者数は年々増加してきています。
2012年の時点においては女性のがん罹患者数の第一位が乳がんにあたります。
一方で乳がんの手術が進歩し、早期の段階で適切な治療を行うことで約9割が改善する病気となりました。
乳がんになりやすい年齢は30代後半以降、比較的若年者の発症が多く特に働きざかりの女性、小さな子供をもつお母さん世代で発症することも特徴であります。
乳がんの7~8割は女性ホルモンであるエストロゲンが関係しているため月経の回数が多い人ほど乳がんになりやすいといえます。
予防効果についてははっきりとした結論はでていませんが、欧米型の食事パターンと乳がんリスクとの間に関連が認められたそうです。
特に肉類・加工肉・飲酒の過剰摂取はこれまでの研究でも指摘されています。
日常的に加工肉やお酒を摂取する機会が多い人は、なるべく控えるように意識しましょう。
がんには、オリーブオイルや緑茶、ブドウ(エピカテキンオリゴマー)がおすすめです。
選ぶ際にはオリーブオイルの偽物、農薬には気を付けてくださいね。
まとめ
身体は食べたものでできると言われていますが忙しく過ごされている方は外食やコンビニ食が多くなってしまいがち。おいしいものには添加物がたくさん入っています。
最近ではオーガニック食品も多くなっていきました。
食事やナプキンを変えてこの先長く健康に過ごしていけるよう意識しましょう。
不妊症・妊婦施術は女性専門 みやび鍼灸院|東京都新宿区 (miyabi-shinkyu.com)