妊活中やこれから妊活を意識してみようかなと思っている方、妊娠中や出産を控えている方へ。
日々の食事は意識していますか?
普段摂っている食事が、精子や卵子、受精卵、胎児を育てる栄養となるため、食事については理解が必要です。
その中でも重要な糖化と酸化についてご紹介いたします。
酸化と糖化
近年、老化に対する研究がすすみ、老化を促進する要因が次々と明らかになっています。
老化の代表的な要因が「 酸化 」と「 糖化 」
この二つが老化につながっているのです。
酸化と糖化は日常生活のちょっとしたコツで減らすことができます。
ポイントは「サビ」と「コケ」対策。
血管の老化を防ぐには体の中のサビとコケを増やさないことが大切です。
「サビ」
通常サビとは金属の表面にある不安定な金属原子が、酸素や水分などと酸化反応を起こして生成される腐食物のことを指します。
(例):銀色の鉛⇒赤褐色に変化することがいわゆるサビ
このサビが私たちの体の中で生じるとき、大きく関与するのが細胞の中に存在するミトコンドリアです。
ミトコンドリアは呼吸によって体の中に取り込まれた酸素の90%を使ってエネルギーを産生する工場のような役割を果たしています。
ミトコンドリアではアデノシン三リン酸という物質が作られて、そこからアデノシン二リン酸、一リン酸、というふうにリンが分解されて少なくなっていきます。
この過程でエネルギーが作られますが、そのエネルギーは筋肉や神経活動、DNAの合成などを行うときに使われます。
しかし、ミトコンドリアが使う酸素の約2%はどうしても不安定な状態になってしまいます。
それが【 活性酸素 】です。活性酸素は体内のたんぱく質や脂質などと反応し、細胞を酸化させます。
つまりサビつかせて酸化させる物質。同じ現象が血管で起これば血管の老化につながります。
では、活性酸素を体から無くしてしまえばいいのでは?
こう考える方も中にはいるかと思いますが、白血球に存在する活性酸素は体に侵入した細菌やウイルスを撃退するための感染防御機能を担っているのです。
「女性の体の中では排卵時の卵胞破裂や受精など細胞の分化においても重要な物質です。」
この活性酸素が問題になるのは体内で増えすぎてしまった場合。
酸化によってDNAや細胞が傷つき、がんや血管の病気が増えしまうため、増えすぎないよう注意が必要です。
一方、私たちの体内には活性酸素を分解してくれる物質も存在しています。
その代表が、【SOD】という酵素です。
SODとはたんぱく質を摂取することによって体内で合成され、抗酸化作用を発揮します。
しかし、SODを生産する能力は加齢とともに減少していきます。
まずは活性酸素を増やさないよう生活を気にしていけるといいですね。
活性酸素を増やす要因としては、
☆ストレスが多い(睡眠不足など)
☆揚げ物、脂っこいものを食べることが多い
☆賞味期限の過ぎた食品・調味料を使用する
☆疲労の激しいスポーツを行うことが多い
☆煙草を吸っている
これらがあげられます。
納得のいくものが多いのではないでしょうか。
運動については生活習慣の予防や血管の若返りなどさまざまな健康効果があることがわかっているのですが、あまり激しいスポーツは活性酸素を増やすもとになるので、負荷をかけすぎない運動にとどめておきましょう。
活性酸素を減らすためにするべきことは?
上記にもあります活性酸素を増やさないよう生活習慣の見直しのほかに、サビを防ぐ「抗酸化作用」をもつ食品を摂ることもおすすめです。
抗酸化作用をもつ個別の成分として、αヒドロキシ酸(パイナップル)、ビタミンC(アセロラ)、E(アーモンド・ナッツ)、A(ニンジン)が代表例です。
アセロラやパイナップルを日常的にとるのは少しむずかしい食材ですよね。
日常生活に取り入れやすいものとしては、オリーブオイルやニンニクなどがあげられます。
オリーブオイルにはビタミンCの約10倍にあたる抗酸化作用をもつと言われています。
また、肌のシミのもと”メラニン”の生成を抑制する作用についてはビタミンCの25倍もあります。
オリーブオイルの中でも特に精製した状態のエキストラバージンオリーブオイルにふくまれるポリフェノールは抗酸化作用が非常に強いことが知られています。
ニンニクには水溶性のビタミンC、脂溶性のビタミンEなどの抗酸化物質が多く含まれています。
ニンニクのアリインやアリシンなどの成分にはSODにような抗酸化酵素を活性化させる作用もあります。
血管の老化を防ぐために普段の食事に取り入れてみてください。
「こげ」
人の肋骨の軟骨のコラーゲン組織を調べた研究では、若いうちは色が白いのに、年をとるにつれて少しずつ茶色くなり、65歳以上ではさらに濃い茶色になっているそうです。
これが加齢とともに体内で増える「こげ」であり、その成分として重要なのが
【 終末糖化産物、AGEs 】です。
【 糖化 】とは、体内のたんぱく質が糖質と結びつきそこに体温の熱が加わって劣化するという現象のこと。
そして糖化に生じる物質がAGEs(終末糖化産物)です。
これが体に蓄積される焦げの正体であり全身の老化がすすむ要因の一つとして注目されています。
各臓器、皮膚、筋肉などを体のほとんどはたんぱく質でできているため糖化は体のさまざまな組織で起こりAGEsが蓄積されます。
認知症や動脈硬化をはじめとする血管の老化、生活習慣、腎臓や心臓の病気、骨粗しょう症、神経変性疾患、網膜症、そして血管の老化とともに深く関係する糖尿病合併症など、さまざまな病気の発症リスクが高くなっていくといいます。
皮膚のコラーゲンが硬化して皮膚の老化が起こり、肌にシミやシワが生じるのもAGEsが関与しています。
AGEsが増加する要因には、
☆糖質のとりすぎ
☆脂質のとりすぎ
☆喫煙・飲酒、
☆外因性のAGEs(食品の摂取)、
☆酸化ストレス
などがあげられます。
どれも”生活習慣の乱れ”からくるものばかりなのです。
酸化反応はAGEsがつくられる糖化反応の過程にも深く関与する。
強い酸化ストレスもAGEsを増やす一因であるため、酸化と糖化の両方を抑える対策が必要です。
「糖化」の言葉通り、AGEsは血糖値と深い関係があり血糖値が早く上昇するほどAGEsを抑える事にもなります。
当然ですが糖質の摂りすぎはNGです。
食事の際には食べる順番も気にしてみましょう。
よく耳にすることかと思いますが、野菜などを先に食べ糖質を最後にすると血糖値の上昇が抑えられます。
理想的なのは最初に 野菜を食べ⇒ 肉や魚などのたんぱく質⇒ 最後に糖質を含むごはんやパンなどの主食、という順番が好ましいです。
炭水化物については血糖値がゆっくり上昇するような雑穀米や玄米を少量食べることをお勧めします。
AGEsを多く含む食品をとりすぎも注意が必要です(外因性のAGEs)
AGEsの含有量は高温で調理された食品のほうがAGEsが多くなるといわれています。
食品における糖化を語る上で、避けて通れないのが「メイラード反応」という化学反応です。
「グルコースなどの還元糖と、たんぱく質などアミノ化合物を加熱すると褐色物質が生まれるという非酵素的な反応が起きます。調理の過程で香ばしいにおいがしたり、おいしそうなきつね色がついたりするのはメラノイジンが発生するからです」
例えば玉ねぎを炒めると少しずつこげて、茶色に変わってくる。このときに発生するのがメラノイジンです。おいしく香ばしくすると同様にAGEsを生み出してしまいます。
これらをたくさん食べ過ぎてしまうと体の老化をすすめるリスクが高くなります。
AGEsの量は同じ食品でも調理法で変わってきます。
生 〈 蒸す・ゆでる 〈 焼く 〈 揚げる
左からAGEsが低い調理法になります。肉・魚類、お野菜などを調理する際には意識していきたいですね。
AGEsを増やさない生活習慣は
▼体を適度に動かす▼禁煙する▼十分な睡眠をとる▼ストレスの低下▼朝食をとる▼糖質食を控える
長くなりましたが、「酸化」と「糖化」、「サビ」と「こげ」を理解してこれらを増やさない生活習慣をこころがけ、長く健康に生き抜いていきましょう!!
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