妊活前検査1 風疹
風疹
風しんは、発熱や発疹、リンパの腫れを特徴とする感染症で、三日ばしかとも呼ばれます。風しんの症状は、子供では比較的軽いのですが、大人がかかると発熱や発疹の期間が子供に比べて長く、関節痛がひどいことが多く、1週間以上仕事を休まなければならない場合もあります。すでに風しんにかかったとの記憶のある人達に血液検査を行ったところ、約半分は記憶違い、または風疹に似た他の病気にかかっていたという調査結果もあります。風疹は発熱、発疹が症状で感染力は弱く重い病気ではないのですが最も怖い点は、妊娠初期(20週頃まで)の女性が風しんにかかると、生まれてくる赤ちゃんに難聴や心疾患、白内障など、「先天性の病気(先天性風しん症候群)」を引き起こす恐れがあることです。(妊娠1ヶ月でかかった場合50%以上、妊娠2ヶ月の場合は35%などとされています)。
【 2019年第26週の風疹報告数 】
2019年第26週(6月24日~6月30日)に32人が風疹と診断され報告された。遅れ報告も含めると、第1~26週の風疹累積患者報告数は1,896人となり、第25週の1,848人から48人増加した。なお、第26週に診断されていても、2019年7月4日以降に遅れて届出のあった報告は含まれないため、直近の報告数の解釈には注意が必要である。(風疹流行に関する緊急情報:2019年7月3日現在国立感染症研究所感染症疫学センター)
風しんは、「予防接種で防ぐことのできる病気」です。自分自身はもちろん、家族や同居家族も風しんを理解し、生まれてくる赤ちゃんを先天性風しん症候群から守るため、予防接種をご検討ください。
※妊婦さんは予防接種を受けることができません。
※健康上の理由で予防接種を受けられない方もいます。
厚生労働省は、風しんに関する特定感染症予防指針を改正(平成29年12月21日一部改正、平成30年1月1日適用)し、風しん及び先天性風しん症候群の発生時に迅速な対応ができるよう、風しんの患者が一例でも発生した場合に、感染経路の把握等の調査を迅速に実施するように努めるとともに、原則として全例にウイルス遺伝子検査を実施することで、確実に風しんを診断することとしています。また改めて定期予防接種に対する積極的な接種勧奨を行うとともに、妊娠可能女性とその家族への予防接種の推奨、また産褥女性に対する風しん啓発を行っており、2020年度までに風しん排除の達成を目指しています。
『2022年3月31日までの間に限り、1962(昭和37)年4月2日から1979(昭和54)年4月1日までの間に生まれた男性(39歳~56歳)が風しんにかかる定期の予防接種の対象者として追加されました。この年代の男性が抗体保有率が特に低いためです。まずは、風しんの抗体の有無を確認するため、抗体検査を受けてください。東京都や埼玉県では自治体により無料で抗体の検査を受けることができます。抗体検査の結果、風しんの抗体がないことがわかった場合、原則無料で風しんの予防接種を受けることができます。』
2025年まで延長されました!!
「風しんの追加的対策」について 厚生労働省
以前(現在の40歳頃まで)は女子は中学生の頃に集団予防接種で1回受けていますがその後男子も含めて個別接種となったため受けていない方も多く、女性では20代~30代、男性は20代〜50代で風疹にかかり流行しています。風疹抗体価の検査は不妊の検査、妊娠初期に検査される項目の一つであるので不妊治療している方は検査済みであると考えられますがまだ妊娠を望むけれど不妊治療をしていない方はまずは医療機関で風疹抗体価を検査することをおすすめします。
2019年4月以降、お住まいの市町村からクーポン券が届きますのでクーポン券に従って抗体検査を受けてください。
街頭で、この風しん抗体検査クーポンが届いた男性にインタビューしていました。
クーポンを使って検査を受ける予約をした方もいれば、検査を受けるか悩んでいる方、封筒さえ開けていない方など様々でした。自分だけの問題ではなく、他人にも影響を及ぼす重要な問題だと認識してほしいです。検査を受けるか悩んでいる方には是非受けてほしいですし、封筒を開封していない方は開封して、風しんが妊婦にとってどれだけ脅威な疾患なのか理解してほしいです。国としても予算30億円かけて作っているクーポンです。
それだけ、国も重要事項としている問題だと言えます。
男性だけでは、風しんが妊婦に与える影響があることを全く認識していない場合が多いと思いますので、周りの方からクーポンの話題など出されるといいと思います。無料で検査できるチャンスなのでこの機会に抗体検査を行ってください。詳しくは、厚生労働省のHPをご参照ください。
妊娠するのは女性ですが、パートナーが風疹を持ち込んでうつるといけないので男性も予防接種をする必要があります。風疹の抗体検査は男性も行いましょう。