予定日超過
出産予定日までの日数は、最終月経開始日から数えて280日(40週)とされています。
37週から41週6日までのお産を正期産と言います。42週を過ぎても出産に至らない場合を「過期産」 と言います。
過期産で心配されるのは胎児が大きくなり過ぎてしまい難産になる事です。
赤ちゃんが大きくなりすぎてしまうと分娩時に膣に傷がついてしまったり、会陰切開を大きくしなければならない可能性がでてきます。
また、過産期に入っても子宮口の開く兆候が無ければ陣痛誘発剤を用いたりしますが、陣痛誘発剤を用いると急にお産が進み、膣や会陰が十分に広がらないうちに赤ちゃんが移動してしまうことがあり、この場合もまた膣や会陰が傷ついてしまう原因となります。
傷ついてしまった箇所は状態によって縫合しますが、産後免疫力が低下するため、感染症のリスクや治りが遅くなるなど、しばらく影響が残ることもあります。
お母さんのリスクだけではありません。
過産期に入ると胎盤の役目は終わって機能が低下し始めます。
胎盤は赤ちゃんに酸素や栄養を与える大事な働きがありますから、それらの働きも低下して赤ちゃんが低酸素症や低血糖症になる可能性が日を追うごとにつれて高くなります。
胎盤機能が低下すると赤ちゃんに酸素や栄養が届かないために皮膚は乾燥してひび割れし、胎児自身のグリコーゲンを分解して栄養とするために痩せてシワシワになってしまう赤ちゃんも出てくるそうです。
これをClifford症候群(胎盤機能不全症候群)といいます。
胎盤機能が低下して酸素が赤ちゃんに届かなくなると、赤ちゃんは苦しくなって便を羊水内にします。
その便を赤ちゃんが吸ってしまうと呼吸器官に悪影響を与えて、出生後に呼吸障害や肺炎・仮死状態などを引き起こす胎便吸引症候群を発症しやすくなります。
正常の妊娠過程の場合は臨月前に羊水が最大量となり、臨月に入れば段々減少していきます。
過産期に入ると更に減少量が進み、妊娠42週を過ぎた場合の羊水量は200mlと羊水過少の状態になってしまいます。
クッションの役目をする羊水が減れば、子宮収縮の影響を直接受けるなどのリスクも出てきます。
こういった点から最近では38週から39週での出産を推奨する傾向もあるそうです。
予定日超過と鍼灸 子宮の熟化を進めましょう。
みやび鍼灸院では37週を超え胎児の体重が2500gを超えた妊婦さんには出産に向けての生活指導、運動指導もしております。40代は子宮が固くなっているため、35週過ぎからケアをしていきましょう。
過期産(予定日超過)のかたもご予約いただいております。子宮頚管がなかなか短くならない、お腹が下がってこない、子宮口が開いてこないなどの場合もドクターの許可の上、お灸を試してみてはいかがでしょうか?
予定日が超過すると、不安や緊張が高まってきて余計に子宮口が開きにくくなってしまいます。鍼灸治療は足首にある三陰交というツボを使って子宮の血流量を増やし、子宮の熟化を進めていくように促します。また、自律神経を整えることにより、ホルモンバランスが整うため、子宮の熟化が自然と進みやすくなります。
またお家でできることたくさん歩く、階段を下る、スクワットをたくさんするなど運動多くしてみてください。
子宮口を広げる器具の種類
出産予定日が近づいてくるとホルモンの関係で子宮口が柔らかくなってきます(子宮頚管熟化)。
ところが予定日を過ぎても子宮口がかたく開かない場合があります。このままの状態では赤ちゃんが下りてこられず陣痛も起こりません。子宮口をやわらかくしたり広げる処置が必要になります。子宮口をやわらかくして広げる処置には3種類あります。
1、ラミセル
子宮頚管をやわらかくする薬を含んだ器具です。子宮口に入れると水分を吸って膨張するため少しずつ子宮口を広げていきます。
2、ラミナリア
海藻を乾燥させた棒状の器具です。水分を含むと徐々に膨らんでいきます。これを数~数十本程度子宮口に入れ子宮口をゆっくりと広げます。
3、メトロインテル
しぼんだ風船が先端についた器具で「バルーン」とも言われています。これを子宮口に入れ注射器で風船に滅菌水を入れて膨らませ子宮口を広げます。子宮口が開いていない場合や産道強靭の場合に使われます。赤ちゃんは陣痛がこなければ生まれません。子宮口を開かせることによって最終的に妊婦さん自身がもつ自然な体の働きへとバトンタッチするためのきっかけづくりに過ぎません。陣痛のない妊婦さんをお産する体に近づけていくために処置を段階的に行っていきます。自然な陣痛を起こす為にも、正期産に入ったらしっかり運動を行っていきましょう。