お灸とは
お灸というと「お灸を据える」という言葉の響きからか、なにか悪い事をしたときに灸を据えられるというイメージを持っていらっしゃる方も少なくないかもしれません。
今治療で使用されているお灸は皆さんがお持ちのイメージと比べると、さほど熱さを感じません。それほどお灸の質がたかいのです。
お灸の原料
お灸のもぐさは、植物の「よもぎ」から作られています。草餅で食べるあのよもぎです。
ただ、よもぎを全部使うわけではありません。
よもぎの葉っぱの裏面に白い産毛がついているのですが、よもぎを天日干しにして産毛だけを集めたものがお灸のもぐさになります。
なんと乾燥したよもぎから1/200しかとれない貴重なものなのです。
もぐさには、よもぎに含まれる精油成分(チネオール)があるためか、火つきがよく、熱さもやわらかいのでお灸に最適なのです。
そのチネオールの成分が皮膚下に浸透し加温され、血液中の白血球が増えて身体の抵抗力が高まるというわけです。
よもぎは古くから身近な薬草として、使われてきました。
又、乾燥したよもぎは艾葉(がいよう)と呼ばれ、生薬としてカラダを温め、腹痛、胸やけ、下痢、便秘など、 さまざまな症状に効果があるとされてきました。
ヨーロッパでも、ハーブの母とも呼ばれるほどポピュラーで広く用いられてきており、入手しやすいこともあって私たちの暮らしに役立っている植物でもあるのです。
そういったよもぎの効能を2000年以上も前から中国では知っていてお灸に使ったのですからすごいですね。
お灸の種類
近年では、「お灸女子」という言葉も耳にするようになってきました。お灸が身近なものになってきたと思います。
煙が出るお灸もあれば、煙が出ない貼るタイプのお灸がでたり、アロマのように香りに特徴をもたせるお灸も出てきました。
煙の出ない貼るタイプのお灸は、仕事中でも使えるので便利です。
もぐさが使われているのでよもぎの効能もあります!
お灸の正しい使い方
自宅での正しいお灸の使い方をご紹介していきます。
【台座タイプ】
1、用意するもの
・タオル・お灸・ライターorチャッカマン・灰皿(お灸を捨てる容器)・サインペン
2、タオルをお灸を行う部分の下に敷きます。
お灸や灰が落ちてしまった際、火災や汚れの予防になります。
3、お灸の使い方
お灸の台座の裏側のシールをはがし一度指先につけてから先端に火をつけます。
この時指先につけたお灸の方をライターに近づけて火をつけるのが安全でおすすめです。
あとはツボにのせるだけです。
4、熱くなってきたらすぐにはがしてください。
このとき熱さを我慢した方が効果があると思っている方がいらっしゃいますがこれは間違いです。
ピリッと感じたらすぐお取りください。
4、お灸の上手なはずしかた
台座が冷めて手で触れるようになったら、台座を指で押してまわすように外してください。
5、つづけて行ってもいいいの?
1個で温かさを感じなかった場合は続けて行ってください。
ただし同じツボには1日3個までにしましょう。
お灸は温かさを感じてから効果があらわれます。
火を使わないお灸の使用方法と効能
「太陽」
火は使用せずにシールをはがし皮膚に貼るだけで、自宅でも出先でも簡単にお灸をすることができます。
お灸の中には「もぐさ」が入っているのでしっかりとお灸の温かさを感じる事ができます。
また、ヨモギシートとして、お手製よもぎ蒸しパッドとして使う事が出来ます。妊娠中も安産の為にお灸をおススメしています。
*妊活中のお腹・足の冷え *妊娠中のマイナートラブル
*更年期症状 *生理不順や月経痛 *胃腸の疲れ・消化不良*肩こり・腰痛・頭痛・関節痛など
様々な症状に最適です。
「世界」
冬でもないのにカイロみたいなものと思われるかもしれませんがここ数日職場などの冷房対策用としてお求めになる方増えています。
見た目はカイロと同じで温めたい部位に貼るシート状になっているため自分でお灸できない腰や肩など広い範囲を温めることができます。
またカイロと違って火を使わないお灸は穏やかな温熱でツボを温めてよもぎの成分が体の調子を整えることができます。
下記の効能があります。
① 疲労回復
② 血行を良くする
③ 筋肉の疲れをとる
④ 筋肉のこりをほぐす
⑤ 神経痛・筋肉痛の痛みの緩解
⑥ 胃腸の働きを活発にする
お灸をするタイミング
お風呂の前後30分 は水ぶくれができやすいので避けましょう。
水ぶくれができやすい方は皮膚の表面にいらない水を溜めこんでいるタイプでいらっしゃることが多いです。
こういった方こそお灸が効果的です。普段からむくみが気になる方なんかはまさしくそのタイプですね。
そういった方は夕方以降にむくみがひどくなる場合が多いのでむくみの少ない朝にするのもひとつの方法です。
実際、お灸をするのにおすすめな時間は朝なのです。
それも朝起きてすぐが1番効果的です。
というのも、朝起きてすぐのお身体はまだ胃袋に何も入っていない状態ですし、その方の素の状態が現れやすいときなのです。その素の状態にお灸をしてあげることによって効果 ↑↑です。
さらに朝は陰陽(東洋医学の考え方)で いうと陽の時間帯にあたります。
その陽の時間帯にお灸をすることによつてその方の陽の気をUPす ることができます。
陽の気というのは身体を温めてくれる気です。
まさしく今の朝晩に冷えやすい季節&冷え性の方にぴったりですね。
また東洋医学的な鍼灸治療ではお身体全体のバランスを良くする治療をしています。
それに加えて左右のバランスを良くすることも大切なことです (陰陽の考え方と関係しています)。
お身体には同じツボが左右一対で2個 あるのですが(真 ん中にあるツボはもちろん1個 です)、そのどちらかだけにお灸をする時があります。その時は左右のバランスを良くするためなんですよ。
場所によつてはお灸をしてみてすぐ熱く感じるツボと反対になか陰か感じないツボや、とても心地良いツボがあります。
前者のすぐ熱く感じるツボより、後者の感じくい、またはとても心地よく感じるツボの方があなたの身体にとってより効果的なツボなのです。
身体にとって『快』と感じるツボを探してみてくださいね。
お灸は継続することが大切です。
こつこつ続けていくことによって「あれ、前は冷え性だったのが、今はまし!」と 、いつの間にか効果が現れていることが多いです。
お灸でぽかぽか気持ちよく体質改善です。
きっとリラックスしてお身体を良くすることができますよ。