妊活中のお酒
夏といえば花火大会にお祭り、BBQや音楽フェスなど楽しいイベントが目白押し。
夫婦二人きりではなく友人や家族と過ごしたりとたくさんの方との交流の場でもありますね。
イベントというと「お酒」を飲む方も多いのではないでしょうか。
冷えたビールやフルーツのカクテルなどおいしいですよね。
妊活の検索ワードを見てみると上位にあがってくるのが「 妊活中 お酒 」のキーワード。
たくさんの女性がお酒(飲酒)について気になっているのだと思います。
今回は「妊活」と「お酒」についてご紹介いたします。
お酒とは
お酒とは、ビールや日本酒・ワインなど様々な種類のものがありますが共通する部分は「アルコール」
アルコールは酒の主成分の1つであり、「酔い」などの効果をもたらす。広義には酒そのものを指す。
通常アルコールといえば、酒そのものを指す言葉として流布しています。狭義では酒におけるアルコールとはエチルアルコール(C2H5OH、分子量46.07)のことを指し、日本の酒税法上は1%以上のアルコールを含有する飲料を酒類としています。
飲酒用のアルコールは、糖を酵母によって発酵(アルコール発酵)することで作られ、とても水に溶けやすく、また水に対する比重が0.8と体積に比して軽いという特徴があります。酵母による発酵(アルコール発酵)でつくられる酒類(醸造酒)では、アルコール濃度は23%程度が上限ですが、醸造酒を加熱して出てくる蒸気を冷やして集めた酒類(蒸留酒)では95%に達するものもあります。
薬理効果としては、アルコールは脳に対して抑制的に働き、意識障害や感情、気分の変化など、いわゆる酩酊を引き起こします。酩酊の程度は個人差が大きいですが、基本的には血中アルコール濃度を反映します。
ほかの特徴として、アルコールは1gあたり7kcal(キロカロリー)の熱量を有しており、アルコール飲料は高カロリーの飲食物という側面もあります。さらに、アルコールには殺菌作用もあり、感染予防目的でも多く用いられています。
〈参照:厚生労働省e-ヘルスネット〉
女性は男性に比べると体が小さく、肝臓の大きさも小さいことがあります。ですが、体脂肪は男性より多いので、その分だけ水分が少ないといえます。
アルコールは脂肪には溶けにくいため、お酒を飲んだときの血中アルコール濃度が男性よりも高くなります。さらに、女性ホルモンにはアルコールの分解を抑える作用があるといわれています。
このことから飲酒の適量は男性よりも女性の方が少ないと覚えておきましょう。
妊活中のお酒 研究結果など
結論的には、妊活中のお酒(飲酒)は少なければ少ないほど悪影響を及ぼさない可能性がありますが、中程度から高レベルのアルコール摂取は悪影響を及ぼす可能性があります。
≪ 男性側 ≫
イギリスの研究:1週間あたり20ユニット以上のアルコールを摂取すると妊娠までの期間が長引く。
(アルコール度数5%、350mlの缶ビールなら1缶あたり1.75ユニット、750ml入りのボトルワイン(13.5%)は約10ユニット、ウィスキー(40%)で25ml、焼酎(25%)で40ml、日本酒(15%)で67mlが1ユニット)
アメリカの研究:1週間あたり4杯未満のカップルと比較して受精障害の確率が48%高い結果でした。
また、毎日ビールを飲む男性は、精子の運動率低下のリスクが27%高くなり、白ワインを毎週使用すると精子の形態異常のリスクが43%増加し、赤ワインを毎週使用すると精子濃度低下のリスクが23%増加しました。
男性のアルコール乱用がテストステロン産生の障害と精巣萎縮を引き起こす可能性があります。進行したアルコール性肝硬変の男性の72%が性欲減退と性的能力の低下および精巣委縮を示しました。アルコールは精巣だけでなく視床下部・下垂体にも作用しLH等テストステロンを増加させるホルモンを減少させることも報告されています。
≪ 女性側 ≫
イギリスの研究:有意ではないが飲酒をする女性の方が妊娠までに時間がかかる。
デンマークの研究:1週間に7杯以上飲む女性は、週に1杯未満の女性に比べて約2倍の不妊リスクがある。一方、人工授精も体外受精も低から中程度の平均週アルコール摂取量(1週間に1-7杯程度まで)では治療サイクル後の臨床妊娠または出産率は大きく変化はないと結論付けています。
アメリカの研究:1週間あたり4杯未満のカップルと比較して受精障害の確率が48%高く、週に1〜7杯飲酒している女性では、着床障害のリスクが18%高く、特に白ワインを毎週飲む女性は、着床障害のリスクが22%高いという結果でした。
また、白ワインを毎週飲む女性は、白ワインを飲まない人と比較して、採卵で回収される卵母細胞が有意に少ない結果でした。
女性のアルコールによる生殖医能力への有害な影響のメカニズムははっきりとしていません。
マウスでの研究は、アルコールが卵胞の成長に影響を及ぼし、受精卵の分割を阻害し、染色体の分離を妨害し、胚の変性を促進し、着床または胚の孵化を損なう可能性があることを示しています。
また、理論的にはアルコールが卵胞を育てるホルモンであるゴナドトロピンの肝代謝や排泄に影響を与えた場合、卵胞の成長とそれに続くエストロゲンレベルが変化する可能性があることが示唆されています。
各国いろいろな研究がされていますが体格・体質などによっても変わってきます。
お酒を飲まない・飲みたくないと決めている人はそのまま、普段からお酒を人でいる方は以上の研究結
果を参考に飲酒量を調整してけたらいいのではないかと思います。
我慢のしすぎもストレスがかかりよくありません。ほどほどにお酒を楽しんでくださいね。
妊娠中のお酒の危険性
妊娠中の母親の飲酒は、胎児・乳児に対し、低体重や、顔面を中心とする形態異常、脳障害などを引き起こす可能性があり、胎児性アルコール・スペクトラム障害といわれます。
胎児性アルコール・スペクトラム障害には治療法はなく、唯一の対策は予防です。また少量の飲酒でも、妊娠のどの時期でも影響を及ぼす可能性があることから、妊娠中の女性は完全にお酒をやめるようにしましょう。
妊娠中のお母さんが飲酒すると、生まれてくる子どもに様々な影響を残すことがあり、胎児性アルコール・スペクトラム障害(Fetal Alcohol Spectrum Disorders, FASD)と呼ばれています。胎児性アルコール・スペクトラム障害は幅広い症状を含み、名称や診断基準も複数提案されています。
その中核ともいえる胎児性アルコール症候群(Fetal Alcohol Syndrome, FAS)については、1996年に出された診断基準では、①顔面の特異的顔貌(例:薄い上口唇、平坦な人中、平坦な顔面中央)、②発達遅滞(低体重、体重増加の遅れ)、③中枢神経系の障害(出生時の頭蓋の大きさの減小、小頭症・脳梁欠損などの脳の形態異常、感音性難聴、協調運動障害など)となっています[1]。特に知的能力障害について、非遺伝性疾患による知的能力障害ではアルコールが最多の原因とする意見もあるように[2]、大きな問題となっています。
出生数1,000名あたりの発生数は1.06~113.22と[3][4]、調査によって大きく異なりますが、これは調査手法の違いに加え、対象となる集団の飲酒状況の影響も大きいと考えられます。基本的に、胎児性アルコール症候群は、飲酒量に比例してリスクも増え、大量飲酒者である女性アルコール依存症者の子どもに対する調査では、妊娠中飲酒したケースの30%と報告されています[4]。一方で、ここまでなら大丈夫という飲酒量のしきい値はわかっていません。短期間であっても大量の飲酒はリスクが高く、また妊娠初期がよりリスクが高くなりますが[5]、基本的には妊娠全期間を通して何らかの影響が出る可能性があります。
また、特異的顔貌や低体重などは成長とともに次第に目立たたなくなってきますが、ADHDやうつ病、依存症などの精神科的問題が、後年明らかになってくることがあります。胎児性アルコール・スペクトラム障害には治療法はないため、唯一の対処法は妊娠中飲酒しないことです。幸いなことに日本では妊娠中の女性の飲酒率は18.1%(2000年)⇒8.7%(2010年)⇒4.3%(2013年)と減少傾向ですが、0%を目標とした取り組みが今後も必要です[6]
〈参照:厚生労働省e-ヘルスネット 〉
妊娠中の女性の飲酒率が0%ではない事に驚きを感じます。
どんな理由であれ妊娠中の飲酒はリスクを伴います。妊娠を疑った際にはすぐに辞めるよう本人だけでなくパートナーや友人、家族も環境を整えてみてください。
厚生労働省ホームページ:
「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針~妊娠前から、健康なからだづくりを~」
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-hoken/ninpu-02.html
みやび鍼灸院:予約
https://liff.line.me/1661382187-R6DNWBZN?liff_id=1661382187-R6DNWBZN&is=mIXQWTIjfd&tab=history