PGT-Aとは?
PGT-A(着床前遺伝学的検査:Preimplantation Genetic Testing for Aneuploidy)は、体外受精で得られた胚の染色体を調べる検査です。
受精卵の一部の細胞を採取し、染色体の数や性染色体の状態を確認することで、妊娠・出産につながりやすい胚を選ぶために行われます。
🌐 海外PGT-Aで分かること
海外ではNGS(次世代シーケンサー)を使ったPGT-Aが広く行われ、以下のことが分かります。
- 染色体数の異常(数的異常)
- 正常は46本(22対+性染色体)
- 余分な染色体(トリソミー)や不足(モノソミー)を確認
- 例:21トリソミー(ダウン症)、18トリソミー、13トリソミーなど
- 全染色体のスクリーニング
- 全24種類(22対+X・Y)を網羅的に調べられる
- モザイク胚の判定
- 正常な細胞と異常な細胞が混在する「モザイク胚」を判定可能
- 性染色体の異常・性別
- XX(女児)、XY(男児)の判定が可能
- 性染色体の欠失や重複(例:ターナー症候群、クラインフェルター症候群)も分かる
✅ PGT-Aで分かる「性別」について
- 技術的には 性別判定は可能 です。
- ただし、国や施設の規制により「性別を教えるかどうか」が異なります。
- 日本:性別は原則的に開示されません。
- 海外:国によっては性別を伝えてくれるケースがあります。
❌ PGT-Aで分からないこと
PGT-Aはあくまで「染色体の数的異常」を調べる検査であり、以下は分かりません。
- 遺伝子レベルの細かい異常や遺伝病 → **PGT-M(単一遺伝子疾患検査)**が必要
- 染色体の構造異常(転座など) → **PGT-SR(構造異常検査)**が対象
- 将来の体質・性格・知能・病気リスク → PGT-Aでは判定不可能
🇯🇵 日本と海外のPGT-Aの違い
- 日本
- PGT-Aは「臨床研究」として限定的に実施
- 適応は「反復流産」「着床不全」など限られた症例のみ
- 性別は開示されない
- 海外
- より自由度が高く、希望すれば受けられる国もある
- 性別の判定を教えてくれる国もあり、家族計画の一環として利用されることも
🔎 まとめ
PGT-Aで分かるのは以下の通りです。
- 染色体の数的異常
- 全染色体スクリーニング
- モザイク胚の有無
- 性染色体の状態(性別含む)
👉 性別は技術的には分かりますが、日本では伝えられないのが原則。
👉 海外では国や施設によっては「性別を知ることができる」場合があります。
PGT-Aは「妊娠の可能性を高めるためのサポート検査」であり、100%の保証ではありません。
受ける際は、各国のルールや施設の方針を確認しておくことが大切です。



