腸内フローラ
腸内環境を整えよう
秋の気配を感じる朝、空気がひんやりして思わず、肩をすくめてしまいますよね。
体調を崩してしまっては妊活も進められなくなってしまいます。
普段から風邪をひかない為にも、妊娠してから風邪をひかないためにも、また妊娠しやすくするにも、腸内環境を整えるのが大切です。
腸内フローラが乱れると、
神経・脳トラブルではうつ、記憶・判断力の低下、認知症。肌トラベルでは乾燥やしわ。
代謝関連トラブルでは肥満、冷え、血液ドロドロ、糖尿病、心疾患など
免疫関連トラブルではインフルエンザ、風邪、感染症、アレルギー、花粉症。
消火器系トラブルでは便秘、下痢、腸炎などが起こることがあるといわれます。
膣内フローラが整っていないと着床に影響するともいわれています。
その為に摂りたいのがプロバイオティクス食品です。
ビフィズス菌と乳酸菌
この二つはどう違うのでしょうか?
ビフィズス菌はアクチノバクテリア門、乳酸菌はファミキューテリア門に属していて、いわゆる先祖が違います。
ビフィズス菌は酸素があるところでは生きていけず、酸素の届かない大腸にいますが、乳酸菌は酸素があるところでも生きていけるので小腸にいます。
ビフィズス菌
お腹の中にいるときの赤ちゃんは無菌状態です。
出産の際に産道を通ることでお母さんの菌を受け継ぎ、最初はお母さんを同じ細菌を持ちます。
その後生活習慣や食事によって菌の種類が変わってその人その人で違った腸内細菌叢を形成します。
お母さんが生まれる前から、腸内環境をととのえていけば、赤ちゃんの腸内環境を変えることができるかもといわれています。
基本的な腸内細菌叢は大きく変わりませんが、生活習慣や食事を変えることで便色やにおいが変わりることがありますよね。細菌を取り出して顕微鏡で見るのは大変なことですが簡単に日々の変化を感じるのは、ご自身の便の変化を観察することで、できると思います。
プロバイオティクス
プロバイオティクス食品とは、生きたまま腸に届いて腸内環境を整え、人体に有益な作用をもたらす微生物の事を言います。
乳酸菌、ビフィズス菌、納豆菌などを含むヨーグルト、納豆、酒かす、味噌などがこれに相当します。
プレバイオティクス
これに対して、プレバイオティクスはオリゴ糖類や抵抗性デンプン、食物繊維などプロバイオティクス食品に含まれる菌の餌になる食品をとることをいいます。。
中でも水溶性食物繊維を積極的にとることがおすすめです。
食物繊維のうち、不溶性食物繊維は便の量をふやして老廃物を排出するのを助けます。
腸内の善玉菌を増やしたり元気にする短鎖脂肪酸を生産するのはおもに水溶性食物繊維が行います。
食事摂取基準によると一日で食モス繊維の摂取目標量は18~69才の女性は18g以上、男性は20g以上となっています。
さらに、そのうちの3分の1くらいを水溶性食物繊維にすることが理想です。
水溶性の食物繊維含有量
水溶性の食物繊維含有量の多いものを調べてみました。
ライ麦 (100g中)4.7g
オートミール(100g中)3.7g
そば(一人前)1.6g
アボカド(一個)2.7g
切り干し大根(100g中)3.6g
ごぼう(100g中)2.3g
モロヘイヤ(100g中)1.3g
干しシイタケ(100g中)3g
干しいちじく(100g中)3.3g
インゲン豆(乾)(100g中)3.3g
きなこ(100g中)1.9g
イヌリン
中でもビフィズス菌と相性のよい、イヌリンはビフィズス菌をより多く増やすといわれています。
イヌリンはチコリの根やキクイモなどに多く含まれる水溶性食物繊維です。
身近なものでは玉ねぎやゴボウなどにも含まれています。
人の体の消化酵素で消化できないため大腸のおくにいるビフィズス菌まで届くことが可能です。
ビフィズス菌のえさとなり素早く発酵され短鎖脂肪酸になり、肝臓や交感神経節、脂肪細胞、食欲中枢、L細胞などに働きかけ血中中性脂肪が低下したり食後の血糖値の上昇を抑えます。
さらに短鎖脂肪酸が腸内のpHをアルカリ性から中性~弱酸性にすることにより、カルシウムやマグネシウムなどの吸収しやすくします。
イヌリンは粉末状のものが販売されており、お米と一緒に炊いたり、コーヒーに混ぜたり手軽にとることができます。
シンバイオティクス
プレバイオティクスとプロバイオティクスの両方を効率良く摂取する事をシンバイオティクスといいます。
腸内環境を善玉菌が多い良い状況に導く事が出来るというわけです。
その他に便秘の予防になる食物繊維、便秘の解消に役立つマグネシウム、体内の毒素を排出するカリウムなども一緒に摂ると役立ちます。
膣内フローラ
フローラとは、大腸にある細菌がお花畑のように見えるため、フローラとよばれている細菌叢です。腸内フローラに限らず、膣にも膣内フローラと呼ばれる細菌叢があります。
大きく善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つにわけることができます。
善玉菌が優勢の場合は共生関係が保たれていられますが、何らかの理由でバランスが崩れると、悪玉菌が優勢になり、健康状態に影響を及ぼすようになると考えられています。
腸内フローラに限らず、膣には膣内フローラと呼ばれる細菌で免疫を保っています。
性感染症などを引き起こす病原菌の侵入を阻止しながらも、精子や胎児を受け入れるという面で非常に精密ですね。
妊娠後期になると膣内フローラは乳酸を増やし、酸性化させ、ほかの菌が入りづらくなるように変化していきます。
赤ちゃんは羊水の中では無菌状態ですが、産道を通って出てくるときにこの膣内フローラにであい、環境に順応できるようにすると考えられています。
また、膣内の細菌叢の異常が招く細菌性膣炎症は不妊症、流産、早産のリスクを高めるといわれています。
卵管因子の不妊症の女性とそれ以外の不妊症の女性と比べると2.77倍細菌性膣炎症が多く、細菌性膣炎症があると化学流産のリスクが2.3倍増え、さらに早産のリスクが2,4倍になるという研究結果があります。
この結果を聞くと膣内フローラの異常は妊娠力を低下させる可能性があると考えられます。
膣炎症は年齢や月経、ホルモンバランスの乱れ、喫煙、不摂生、性行為、衛生環境、ストレス、などにより減少するとバリア機能が低くなり発症しやすくなります。
膣内フローラは免疫なので、免疫と考えると東洋医学では肺に関連が強く、肺経の反応をしらべて見るのもいいですね。
食べ物で腸内環境を整え、体を整え妊娠しやすい身体、妊娠後や産後も元気でいられる体を目指しましょう。
エクオール
大豆に含まれていえるイソフラボンという成分は体内でエクオールに変わり女性ホルモンに似た働きをするといわれています。
しかし、腸内細菌が整っていないとせっかく取ったイソフラボンもエクオールに変化しないので、沢山大豆をとったとしても効果につながらないことがあります。
トリクロサンとトリクロカルバン
あまり聞いた事がないかもしれませんが抗菌、薬用をうたってるハンドソープやシャンプーなどに含まれる成分になります。
話題になったのは2016年くらいなので今は違う物質を使用している製品も多くなっきておりますが、日焼け止めや歯磨きなどに使われている場合があるそうです。
確かに一時期ほど抗菌をうたう商品が減ったように思いますが何故抗菌が良くないと言われるようになってしまったのでしょうか?
殺菌しすぎると良い菌まで殺してしまい腸内フローラのバランスを崩し、耐性菌の出現を促すと言われているからです。
お腹の調子を整える事は大切ですが、細菌フローラがあるのは腸だけではありません。妊活において大切になってくるのは子宮内フローラです。
子宮内フローラは着床時ラクトバチルス菌(乳酸桿菌)が90%以上満たされる事で着床率が上がると言われています。
肌に使用するものも体が吸収してしまいます。
購入の際には成分を確かめてください。