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「精力」ではなく、「精子力」

━ 男性の精子力を左右するもの男性の妊娠させる力の核心は「精子の質」です。
それは精子の頭部に格納されているDNAが健全であること、傷ついたり、損傷していないことで、精子のDNAの損傷は受精率の低下や胚の発育不良、流産を招いてしまいます。精液検査の結果（精子濃度や運動率）にかかわらず、です。そして、精子DNAの損傷は酸化ストレスによるものと考えられており、必要なのは「精力」ではなく「酸化ストレスと抗酸化力のバランス」です。精子DNAを酸化ストレスから守るためには、酸化ストレスを、直接、あるいは、間接的に増大させるような、タバコや深酒、睡眠不足、ストレス、精製食品や加工食品、清涼飲料水などを避けること、そして、抗酸化力を高めるような、新鮮な色とりどりの野菜や果物をたくさん食べ、ヘルシーなオイルの摂取を習慣化することです。パートナーが高齢であったり、治療がうまくいかないというような場合は、より確実性を高めるために抗酸化サプリメントの摂取が有効です。

精液採取の間隔は短いほどよい

精液検査の結果が基準値を下回る男性では、短時間の間（40分以内）に連続して精液を採取した場合、1回目よりも2回目に採取した精液のほうが運動率や正常精子形態率が良好だったという研究が発表されました。

━ WHOの精液検査マニュアル
精液検査を実施する場合にはWHOの精液検査マニュアルが世界的な基準ですが、そこには2〜7日間の禁欲期間を設けるようにとの記載があります。
このマニュアルは健康（正常）な男性に正確な精液検査を実施することを目的としたものなので、よい結果を得るための推奨ではないのです。

2021年、WHO laboratory manual for the examination and processing of human semenの第6版が発表され、10年ぶりに精液検査の基準が変更となりました。

精子の運動率にはリコピン

リコピンを高濃度に含有するトマトジュースを習慣的に飲むことで精子運動率によい影響があるかもしれないことがわかりました。

睡眠時間が短くても長くても精子の質が低下する

1日の睡眠時間が7-7.5時間より長くても、短くても、DNAの成熟が不十分（未熟）な精子の割合をあらわす高DNA染色性が高く、1日の睡眠時間が9時間以上か、6.5時間未満の男性は、高DNA染色性が7-7.5時間の男性に比べて、それぞれ、40.7%、30.3%、低いことがわかりました

精子に良いサプリメント

男性不妊患者への高用量コエンザイムQ10+ビタミンC、ビタミンEのサプリメントによる抗酸化療法は精子DNA断片化率を改善するという研究結果が、第106回日本泌尿器科学会にて発表されました。

精子DNA断片化は、たとえ、受精してもその後の胚の質を低下させ、着床率を低下させると報告されています。

精子DNAの断片化の主因として酸化ストレスが関与するのではないかと考えられています。
そのため、長い禁欲期間や喫煙、ストレス、精路感染、また、高温環境や精索静脈瘤も酸化ストレスを上昇させ、精子断片化を引き起こすと考えられています。このように男性の生活習慣や疾患などが精子DNAを損傷させるのです。

精子の質によい食品

どんな食べ方が精子の質によい影響を及ぼすのか？
食品からみれば、野菜や果物、精製度の低い穀物、魚、豆類を多くたべ、精製度の高い穀物や肉類、加工食品、砂糖入り清涼飲料水はほどほどにすること、ただし、ベースとして最も大切なことは、日本人の食事バランスガイドに基づいたバランスであるということになると思います。

男性のアルコールの影響は？

全くお酒を飲まないのはよいわけではなく、むしろ、適度な飲酒はよい影響を及ぼしいる可能性があるというものでした。
アルコールについては、アルコールを代謝する働きについて個人差があるため、量だけで一概なことは言えません。カフェインについての同じことが言えます。

男性の下着のタイプと精液所見の関係

• 下着は「ゆったりタイプ」を選ぶこと。
• 長時間、同じ姿勢で座らないこと。
• サウナや長風呂はできるだけ避けること。
• 運動すること。

精子力UP７ヶ条もご覧ください。